私は、私と関わった全ての方にお話したい。

事が済めば、誰かがこの遺書を発見するだろう。

まず言いたい。
私は誰も恨んでいない。泣く人が居たら、「貴方に感謝をしながら何のためらいもなく、逝った」と慰めて差し上げて欲しい。

そして、申し訳ない。
生まれてきて申し訳ない。存在してしまった。
結局「無」であれば、誰も悲しまない。
生まれてこなかったのが、最善であり正しいことだと。
申し訳ない。生まれてきてごめんなさい。

もうひとつは、感謝。
私に影響を及ぼした全てのものに感謝する。
草木や、風、水や土。太陽の力強さと、夜の優しさ。
私と関わった人々へ、感謝。
この感謝を伝える勇気さえない、とめて欲しくはないからだ。
助けは無用。労わりの言葉も、また同じ。
私の心には、もう響かない。

私は最期まで、穏やかに風の中で居たい。
来世があるとするならば、私は風になりたい。

そして、貴方の周りを舞いながら、時には背中を押しながら。
時には貴方の運転中の口笛を吹き飛ばすくらいの悪戯も含めて。
私は貴方に永久の凪をあげよう。

私はもう長くは無い。
だから、今なら言える。

人には、優しく在りたい。
貴方の様に強く、優しい人間であれば良かった。



屋形船 貴方の姿を 水面に探す 貴方のせいで 夏に恋する

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